庵治ストーンフェア2025に行ってきました。

2025 07 02 06:34 PM

日本最高峰の石材が集う場所へ

 

こんにちは、青山石材店の青山です。
6月6日、香川県高松市で開催された「庵治ストーンフェア2025」に行ってまいりました。
石材業界のなかでも特に注目されるこのイベントは、毎年楽しみにしている催しのひとつです。

今回は、私自身が現地で見て、触れて、感じたことを皆さまに少しでもお伝えできればと思い、ブログにまとめてみました。
ご興味のある方はもちろん、普段あまり石に触れる機会のない方にも、「石ってこんなに奥深いんだ」と感じてもらえる内容になれば嬉しいです。


実際に行ってみて感じたこと

 会場に足を踏み入れると、全国各地の石材が一堂に会していて、まずそのスケールに圧倒されました。

庵治石はもちろんのこと、北木石、青木石、天山石、伊達冠石、大島石、万成石など、名だたる国産石材のブースが立ち並び、それぞれの石の魅力を存分にアピールしていました。


 細目の庵治石で斑(ふ)が美しく浮かび上がっている墓石や、重厚感のある天山石、そして伊達冠石は、外側の皮肌は明るい茶系でありながら、切断して磨くと中は漆黒に輝くという、非常に印象的なコントラストを持った石でした。

 

 それぞれの石が持つ表情の違いや魅力をじっくりと見て回るうちに、「やっぱり国産石はすごいな」と改めて感じさせられました。

また、職人さんによる加工実演や、最新の石材加工機械の展示もあり、現場で石を扱う立場としてはとても刺激を受けました。

 さらに、全国から集まった同業者の方々とも久しぶりに顔を合わせることができ、情報交換や雑談を通じて業界の今を肌で感じることができたのも、大きな収穫でした。

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自然石を使ったお墓

伊達冠石

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コンビネーション

庵治石と黒御影石

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趣向の有る段付き加工

庵治石

業界について考えさせられたこと


 今回のフェアでは、石材の魅力を再確認できた一方で、業界全体が抱える課題も改めて実感しました。職人の高齢化や後継者不足は、どの石材業者にとっても共通の悩みで、多くのブースでもその話題が出ていました。

 とはいえ、希望がないわけではありません。庵治石の加工現場では、少しずつではありますが、若い世代が参入し始めているという話を何人かの業者さんから伺いました。実際、会場では若手職人の手がけた作品がいくつか展示されており、従来の感覚にとらわれない、新しい表現の石材加工に触れることができました。

 とくに印象に残ったのは、通常であれば「ナデ」と呼ばれ、模様が流れてしまったことで選別外とされていた庵治石を、あえてその自然の流れを模様として活かし、一点物のデザイン墓として仕上げていた作品です。「これは自然が描いた“絵”なんです」と語っていた若い職人の言葉に、石の新しい可能性を感じました。

訪問を通じて得た学びと、
これからのこと

 ストーンフェアに行って感じたのは、「やっぱり石って奥が深いな」ということでした。ただキレイとか高級とかいうだけじゃなくて、産地ごとに個性があって、そこに人の手と想いが加わって“かたち”になっていく─そんな現場の空気を、久しぶりに肌で感じることができました。

 若い世代の職人さんたちが少しずつ増えてきてるのも印象的で、「これからの石屋って、もっと面白くなるかもしれんな」と思えたのは正直うれしかったです。

 とはいえ、日々の現場では価格競争や石離れなど、課題も山ほどあるのが現実です。それでも、青山石材店としては、自分たちのペースで、「いいもんはいい」とちゃんと伝えることを、これからも続けていきたいと思っています。

Raita Aoyama

Raita Aoyama

CEO 株式会社青山